モバイルファーストなデジタル エクスペリエンスはマーケティングで成功を収める上で欠かせない存在になりました。現在では、ユーザーはデスクトップよりもモバイル端末をより頻繁に使用するようになっており、顧客のライフサイクル全体におけるモバイル端末の役割がより重要になっています。この記事ではマーケターなら熟知しておくべき内容をご紹介します。
2019年までにモバイル用広告宣伝費は1,955.5億ドルに成長し、モバイル用広告はデジタル広告全体の70.1%を占めるようになるだろうと予測されています(Venture Beat)。現在の時点でオンラインでの

購買行動のうち約34%はモバイル端末で行われていることが明らかになっています。モバイルファーストなデジタルエクスペリエンスというものが生まれ、オンライン業界の形態を大きく変え始めていることは間違いありません。この新たな誕生によって、従来のカスタマージャーニーは完全に当てはまらなくなり、企業は顧客の取り込み方や取引の仕方を適切に修正しなければならなくなりました。
「何かを知りたい、何かを買いたい、何かをしたい、どこかへ行きたい」などの具体的な目的を持ち、デバイスを使って顧客が何を探そうとしているのかを表す「マイクロモーメント」という概念が、顧客と企業とのやり取りの方法に大きく影響を与えています。モバイル文化においてこのような変化が生まれたことによって、SEO対策も同様に変わることを余儀なくされました。結果的にマーケターは今まで以上に顧客について詳しく理解することが必要になり、カスタマージャーニーを左右するようなマイクロモーメントをユーザーが経験する時に、読み手にとって魅力的な価値あるコンテンツ作りの重要性が高まっています。
モバイルファーストなデジタル エクスペリエンスが台頭した経緯
モバイルファーストという考えを目指す動きは、過去10年の内で急速に成長し、とりわけ過去3年のうちにその動きは爆発的に加速しました。
今からさかのぼること約7年。2010年2月初旬にEric Schmidt氏は初めて「近い将来にモバイルファーストな世界が生まれる」と予測しています。2014年には、マーケティング業界全体で彼の予測がいかに正しかったのか、さらにそれがいかに実現に近づいているのかを痛感させられました。
2014年にGoogle はモバイル ユーザービリティー レポートを同社のウェブマスター ツールに追加し、ユーザーはモバイル用に最適化したサイトに関するより詳しい情報をトラックすることができるようになりました。同時期に、サイトをモバイルフレンドリーにすることによって、トラフィック数を最大で200%拡大できるとマーケターの間で広まっていきました。
その直後にGoogle では、検索結果ページのサイトの隣に巣にペットを表示し始め、どのページがモバイルフレンドリーなのかが分かるようになりました。

スニペットの導入によって、サイトをモバイルフレンドリーにするために対策を行った企業に対して「このサイトはデスクトップユーザーだけではなくモバイルユーザーのことも考慮している」という具合に好意的な注目が集まるようになりました。さらに、近い将来にモバイル用の最適化作業を行っているかどうかをGoogleが評価の対象として参照するだろうという可能性が濃厚であるとSEO業界で考えられるようになりました。
翌年である2015年には、モバイルフレンドリーに関するアップデートが実施されました。同年2月にモバイルフレンドリーに関するアップデートについて事前に発表され、4月に実際に導入が開始されました。導入開始前にGoogle がアップデートについて発表したという異例の行動を見ると、Google がこのアップデートをいかに重要視していたのかが分かります。これまで他のアルゴリズムに変更があった際にはこのような事前発表はあり得ませんでしたが、今回に至ってはサイトにペナルティーを与えるアップデートが開始される前に各サイトにエラーがないかを点検し適宜修正する機会が与えられたのです。つまり、今回のアップデートは、すべのてサイトにおいてユーザー エクスペリエンスを高めることを目的にしていることが分かります。
2015年後半には、Google はマイクロモーメントという考え方の普及を推し進め、AMPのマークアップが導入されました。
昨年2016年には、モバイル デジタル マーケティングの発展がさらに躍進しました。2016年2月に、AMPのニュース専用カルーセルが導入され、同年秋頃には、 AMPはニュース関連サイトのみに限定されるものではなくなり ました。年末には、 モバイルファースト インデックス について発表し、新アルゴリズムのデザインを試験的に導入していることを明らかにしていました。
消費者や検索アルゴリズムがモバイルファーストなデジタル エクスペリエンスにむけて移行するスピードは高まっており、各企業が成功を収めるためには、その変化に合わせてユーザーの意図やニーズに対する理解を深めることが必要不可欠です。
モバイルファーストなデジタル エクスペリエンスにむけて企業はどのような準備が必要なのか?
モバイルファーストなアルゴリズムが近い将来導入されることを考慮して、各企業にとってまず必要なのは、 Google が提案した推奨事項を見直してみる ことです。
また、モバイルで成功を収めるためには、オンページ要因の最適化以上のことが求められることを覚えておきましょう。BrightEdge が行った独自調査によると、モバイル版のGoogle の検索結果のうち73%がデスクトップ版の検索結果と異なっていることが分かっています。モバイル専用にどのような最適化作業が必要なのか企業が把握していることはもちろん重要です。しかしそれだけではなく、マイクロモーメントをいかにモバイルやカスタマージャーニーに取り入れ、検索結果ページでのランク状況を改善するかを考えていくことが重要になります。.
今日のカスタマージャーニーには、数えきれないほど多くの接点(タッチポイント)があります。今日のカスタマージャーニーには従来の直線的なモデルはもはや当てはまらず、各種モーメントが様々なデバイスごとにランダムな順番で起きるという状態に変わったのです。

上記のようなマイクロモーメントをしっかりと理解し、マーケティング戦略に組み込むことができれば、企業と顧客の間の関係もより強いものとなるでしょう。
業界で起きているこの大きな変革を最大限に活かすために、企業には以下のような事柄が求められます。
- インテント シグナルを理解し、注意を払う。
- 顧客が使っている端末ごとに、どのようなコンテンツが好まれる傾向にあるのかを把握する。
- マイクロモーメントを意識してコンテンツを最適化する。
- 結果を測定(トラック)する。
モバイルやマイクロモーメントが顧客のユーザー エクスペリエンスに与える影響の大きさを理解するために、1つ興味深い例をご紹介します。 顧客の51% が新しい企業や製品を見つけるために様々な端末を用いると答えている中で、スマートフォン ユーザーの69%が、購買行動をとるなら、自分が抱いている疑問や問題に簡単に応えてくれるようなモバイルサイトがある企業を選ぶと答えているのです。
モバイルやマイクロモーメントは、ローカル検索でも重要視されます。Googleによると、ユーザーが「この近く」の店について検索する数が過去1年で倍に増えています。また顧客の82%が店舗に居る間もスマートフォンを使用していると答え、さらに59%が購入を素早く簡単に進めることができるモバイルサイトを選ぶと答えています。
ユーザーがモバイル端末を用いて、何かの方法を調べる方法を検索する数も増えています。スマートフォン ユーザーの53%が、サイト上に製品の使い方を動画で説明している企業を好むと答えており、YouTubeでは、何かの仕方を説明する「How to」ものの動画に関する検索数が前年比で70%増加していることが明らかになっています。
このような変化が起きている業界で成功を収めたいと願う企業は、インテント シグナル(検索意図)を理解し、注意を払う必要があります。これによって、顧客が興味を持つコンテンツの種類が具体的にわかるようになり、適切なコンテンツを作成することができるため、より多くの顧客を取り込み、販売ファネルに誘導することができます。
モバイルファーストなデジタル エクスペリエンスというものはすでに普及しており、各企業はモバイル戦略において各ページを最適化するだけではなく、それ以上の取り組みが必要になります。万全なモバイル対策を行うということは、すべての顧客のユーザー エクスペリエンスを意識しているということになり、マイクロモーメントを経験している各ユーザーの期待に応えるような「個人を意識したコンテンツ作り」が可能になります。