新たなカスタマージャーニーを把握するためには、マイクロモーメントをしっかりと理解することが欠かせません。マーケターが消費者に対して適切にリーチを広げるためには、各種あるマイクロモーメントを理解し、顧客が何を求めているのかをうまく予想することが重要になります。
マーケターが自社のマーケティングや販売のプロセスを最適化するためには、顧客が販売ファネルをどのように移動していくのかを把握する必要があります。これらのプロセスをより詳しく把握していればいるほど、顧客へのリーチの届き具合もより詳細に把握することができます。またこのプロセスを理解することによって、顧客が最終的に何かを購入する前に経験する意思決定のプロセスに対する理解も深まります。
以前は、カスタマージャーニーとは直線的なイメージで比較的わかりやすいものでした。顧客は予測できるような段階ごとのプロセスを追うため、マーケターは各段階における成功度を測ることができ、それを参考にして自社の弱みと強みとは何かを把握することができました。しかしこのようなカスタマージャーニーは大きく変化し、現在では全く異なるモデルに進化してしまいました。

以前のカスタマージャーニーはバラバラになり、何が消費者の購入につながるのか理解するのが急に難しくなってしまいました。デジタルマーケティングは現在ではとりわけ新しい業界ではありませんが、業界のベテラン マーケターにとっても、なにが顧客に対するリードや販売につながるのか理解が難しくなっています。
カスタマージャーニーが変化したことによって、マーケターはパフォーマンスの傾向を把握するために各種様々なメトリックを参照しなければならなくなりました。例えばエンゲージメントの高いトラフィックをもたらす広告の種類や、実際に商品を購入してみようと思わせるようなキーワードの種類などを明らかにすることが必要になります。業界では、カスタマージャーニーは以前のような直線形のモデルではなくなってしまったという事実が徐々に広まっていきました。現在のカスタマージャーニーは、様々なモーメント(瞬間)で構成され、そのモーメントも以前とは異なりいつどのような順番で起こるのか予想できるものではありません。このような変革が起こったのは、顧客が企業側とオンラインでやり取りする方法が変わったことが原因だと考えられています。現在では顧客が主導権を持って企業とやり取りします。顧客が企業に直接問い合わせることができ、またソーシャルメディアを活用することによって他の顧客と自分の意見やレビューについて共有することも簡単です。さらにコンピュータで少し検索すると、数ある選択肢の中から自分の問題を解決する方法を見つけることができます。
企業が顧客のニーズを満たすためには、様々なチャンネルを活用したマーケティングの手法をとる必要があります。これによって、顧客が用いているデバイスの種類や現在カスタマージャーニーのどの段階に居るのかなどの要因に関係なく、どんな顧客とも関係を構築することが可能になります。マイクロモーメントを理解することによって、企業の戦略を強化することができ、結果的に利益を伸ばすことができます。アメリカの小売店を対象にした調査によると、どのデバイスでも参照できるデータを用いることによって、コンバージョンに16%の増加が見られたことが明らかになっています。この戦略を実際に取り入れるためには、企業は以下に紹介する項目について理解する必要があります。
マイクロモーメントを理解する
マーケティング戦略を適切に立て、新たなカスタマージャーニーにおける顧客にリーチするには、マイクロモーメントを考慮することが欠かせません。マイクロモーメントとは、顧客が何かを欲している時に経験する瞬間を指します。Googleはマイクロモーメントを主に4種類に分類して紹介しています。
- 「行きたい(I-want-to-go)」モーメント
- 「知りたい(I-want-to-know)」モーメント
- 「したい(I-want-to-do)」モーメント
- 「買いたい(I-want-to-buy)」モーメント.
Googleは企業を対象にこれらのマイクロモーメントを自社のマーケティング戦略に組み込むことを推奨しています。 Googleが発表した報告書によると、スマートフォンユーザーの約3分の1が、訪れたサイト/アプリに自分の求めていた情報がないため、他のサイト/アプリを訪れた経験があると答えています。また半数以上のスマートフォンユーザーが、元々特定の企業と取引しようと思っていたものの、他社に有益な情報を提供してもらえたことが原因で、他社から商品やサービスを購入したことがあると答えています。これらのマイクロモーメントはオフラインでの購買行動にも影響を及ぼします。顧客の約87%が店舗に足を運ぶ前に何らかの調査を行っており、各種マイクロモーメントを経験している間にユーザーがアクセスする情報は、どの店舗で何を購入するのかに影響を与えます。したがって、マイクロモーメントを経験している顧客に適切な情報を提供することができれば、結果的に利益をもたらすことができるわけです。
様々なデバイスを用いている顧客を対象にマーケティングを行う
企業がマイクロモーメントを適切に理解するためには、各マイクロモーメントで顧客を引き付ける可能性の高いコンテンツの種類を明らかにすることが必要です。
「行きたい(I-want-to-go)モーメント

このマイクロモーメントでは、顧客はどこか特定の場所に行くことに興味を持っています。したがって、マップや住所、ロケーションに関係するその他の情報など、ユーザーが目的としている場所にたどり着くために必要な情報がコンテンツとして求められています。
「知りたい( I-want-to-know)」モーメント
このモーメントを経験している顧客は、何らかの製品やサービスを購入するというよりも、何かについての情報を得ることに興味を持っています。何かに対して理解を深めたり、何かに関する提案を得たりするために役に立つコンテンツを求めているわけです。したがって、商品やサービスを販売するページではなく、ブログの投稿記事や動画、自分の求めている情報が明らかになるようなその他のコンテンツを求めているのです。
「したい(I-want-to-do)」モーメント
「したい(I-want-to-do)」モーメントを経験している顧客は、自分が成し遂げたいことに対して何が必要なのかがはっきりしており、それを実行するために役立つコンテンツを求めています。例えばハウトゥー(How-to)ものの動画や何かの手順を説明するブログ記事や画像、レシピ、ユーザーの目的を達成するのに役立つその他の情報などが求められています。
「買いたい(I-want-to-buy)」モーメント
このモーメントを経験しているユーザーは、実際に何かを購入する段階にあります。ユーザーが求める製品をオンラインで素早く購入するために役立つ割引キャンペーン、クーポン、オプションなどや、最終的にユーザーが製品を購入する後押しをする情報などが求められています。

新たなカスタマージャーニーにおける顧客を対象に、企業が適切なマーケティングを展開するためには、どのマイクロモーメントにおいても顧客が興味を持つようなコンテンツを作成することが必要になります。そのためには、その他のマイクロモーメントやユーザーのユニークなニーズにも対応できるような各種様々なマテリアルを作成することが必要です。上記のマイクロモーメントが自社の顧客にどのように関連するのか、また各モーメントにおいて顧客は何を求めるのかを考えてみましょう。
2017年のマーケティングで成功を収めるために必要な5つのステップ
Step 1.
顧客が興味を持つようなキーワードを明らかにしましょう。自社サイトの顧客層や顧客のパターンを明らかにし、比較分析を実施しましょう。また自社業界内でのトレンドを明らかにして顧客がどのような情報を求めているのかを把握することが必要になります。
Step 2.
キーワードを明らかにしたら、各キーワードがどのマイクロモーメントにぴったりあてはまるのか考え、各モーメントを経験しているユーザーの期待に応えるようなコンテンツの内容を考えてみましょう。Googleはマイクロモーメントという概念を推し進めており、ユーザーのマイクロモーメントに合わせて検索結果ページに表示する内容を変えています。特定のキーワードを検索した際に検索結果ページで上位に表示されているコンテンツの種類を見ることによって、ユーザーが何を求めているのか把握することができます。BrightEdgeのプラットフォームでは、消費者が何を求めているのかを明らかにすることができるインテント シグナルという機能をご利用いただけ、特定のキーワードと関連のあるマイクロモーメントを理解するために役立てることができます。
Step 3.
ターゲットとする顧客のニーズを満たすようなコンテンツを作成しましょう。各種様々なマテリアルを作成することによって、各マイクロモーメントを経験している顧客にはっきりとした価値をもたらすことができます。また顧客がどんなデバイスを使っていてもコンテンツにアクセスできるように準備するように心がけましょう。モバイルを対象とした最適化のベストプラクティスも是非参考にしてください。
Step 4.
進捗状況を測定しましょう。コンテンツの作成/リリースが済んだら、マテリアルのパフォーマンス状況を注意深く観察することが必要です。エンゲージメントに関するメトリックを参照して、ユーザーがコンテンツを参照している程度や、そのコンテンツに対してユーザーがどのような反応をとっているのかを明らかにしましょう。コンバージョンや収益にどのような影響があるのか見てみるのも良いでしょう。
Step 5.
引き続きマーケティング戦略に磨きをかけ、効率や効果をさらに高めましょう。ステップ4で紹介したパフォーマンスに関するメトリックや、その他の競合分析データ、トレンドなどを参考にして、マイクロモーメントや新しいカスタマージャーニーに適切な対応ができるよう、自社のマーケティング戦略の改良を続けましょう。
マーケターにとって、自社サイト上で顧客がコンバージョンに至るまでどのような動きをとるのか顧客の動向を把握することは非常に重要な意味を持ちます。カスタマージャーニーが直線形からより断片的でランダムなモデルに変化したことによって、これを把握することも非常に難しくなりました。そこでマイクロモーメントを理解することによって、対象とする顧客にうまくアピールすることが可能になり、マイクロモーメントを意識したコンテンツを作成することができます。2017年のSEOで成功を収めるためには「マイクロモーメントに対する理解」が重要な鍵となるでしょう!