新年の始まりに備えて、弊社で行った2017年の検索業界に関する予測をご紹介します。
2017年の幕開けに備えて、新年にデジタル マーケターに影響を与える要素としてどのようなものが登場するのか、昨年と同様に予測してみたいと思います。10月に弊社が開催したシェア16においても、来年マーケターに影響を与える要素に注目し、プログレッシブ ウェブ アプリ (PWA) など様々なテクノロジーが普及する可能性に関して多くの専門家が議論しました。弊社では、デジタル業界でのトレンドの変化をモニタリングしています。そこで今回は、2017年に検索やマーケティングに影響を与える可能性がある6つのトレンドについてご紹介します。
(1) マイクロモーメントの存在感が引き続き大きくなる
Google は昨年から「マイクロモーメント」という概念を普及させようと努めており、影響度の高いマイクロモーメントの重要性は2017年のSEO戦略でさらに重要視されるでしょう。
Googleの検索結果ページでは、ユーザーのクエリなるべく早く適切な答えを提供することが追求されています。検索結果ページ上部にリッチアンサーが表示される確率は、2014年12月の時点で、実施したすべてのクエリの内22.6%でしたが、2015年7月には31.2%に増加 し、その後さらにリッチアンサーが表示される確率が高まっています。特定のクエリに対してリッチカードが表示される制度も導入され、ユーザーの疑問に対してぱっと見て答えが分かる方法が導入されました。このようなデジタル環境において各企業が成功を収めるためには、ユーザーが早急に求めている情報や一時的に求めている情報を自社サイトで提供し、Googleが目指している通りユーザーが求める適切な答えを素早くユーザーに提供できるよう心がけることが必要です。
昨年10月に開催されたシェア16では、基調講演者の1人であるChris Bennett にクイックアンサーの重要性やクイックアンサーに表示させる方法について詳しくご説明いただきました。クイックアンサーのような特別な場所に自社の名前を表示させることができるということは、「ポジション0」つまりランキング1位よりもさらに上の場所を獲得したことになり、自社のコンテンツやURLがユーザーにとってとりわけ目立つ場所に表示されることで自社サイトへのトラフィックが増加します。また、詳しい販売情報(例:特定の状況でのコストの見積もり例)など、バイヤーズジャーニー初期で顧客が頻繁に抱くような疑問についてクイックアンサーで答えを提供することも可能であるため、ユーザーにとってためになる答えを提供することを意識してコンテンツ作成し、自社にとって重要な顧客のマイクロモーメントに合わせることができるよう努めます。
コンテンツを作成する際、企業は適切なマイクロモーメントを意識し、ユーザーが求めている情報をできるだけ早く見つけることができるようにします。中でもとりわけ注目すべきカテゴリーは以下の通りです。
- 「知りたい(I-want-to-know)」モーメント
- 「行きたい(I-want-to-go)」モーメント
- 「したい(I-want-to-do)」モーメント
- 「買いたい(I-want-to-buy)」モーメント
まず企業は、顧客のバイヤーズジャーニーにおける様々な段階においてどのようなマイクロモーメントが最も見合っているのかを明らかにする必要があります。バイヤーズジャーニーにおける顧客の現在の段階とマイクロモーメントとの接点(タッチポイント)で何が求められているのかを意識してコンテンツを作成しましょう。BrightEdgeのインテントシグナルなどを活用することによって、ユーザーのインテント(意図)を理解することによって、様々なタッチポイントにおいて読み手を引き付けるようなコンテンツを作成することが可能になります。
(2) コンテクスチュアル マーケティングの登場
検索、コンテンツ、モバイル、ローカル検索…これらすべての要素において、これまで以上に検索を重要視したコンテクスチュアルな(各状況に見合った)デジタルマーケティングの構築を目指しています。そのためにマーケターは検索、コンテンツ、モバイル、ローカル検索すべてをまたにかけて行動しなければなりません。
マイクロモーメントとコンテクスチュアル マーケティングが普及するということは、SEOの重要性が再び注目されるということです。またマーケティング戦略での中心的存在としてオーガニック検索を重視することがマーケターにとって必須になります。オーガニック検索では、戦略的であることが求められ、重要性がさらに高まり、またペイド チャンネルのコストが減少するに伴って、さらに取り組み(investment)が増えるでしょう。オーガニック検索によって、デジタル トランスフォーメーションがさらに加速され、それに伴ってコンテンツ、ペイド検索、デジタル、モバイル、ソーシャル、電子メールなど、関連するその他の要素にも変革がもたらされるでしょう。
(3) ユーザーを第一に捉えるエクスペリエンス
デジタル マーケティングにおいて顧客を第一に捉えることの重要性は長年にわたって訴えられています。まだ顧客を第一に考えることを適切に実践していないようなことがあったとしても、Googleや消費者の存在によってこれは必須になります。Googleではアルゴリズムを常にアップデートし続け、スパムや質の悪いコンテンツを減らすことを目指しています。また消費者もWebサイトを閲覧する際には、自分が求める内容との関連度が高く、自分にとって価値のある情報を求めるようになりました。またローディングに時間がかかるWebサイトに対して消費者の評価はとりわけ低く、ローディングにかかる時間が1秒かかるごとにコンバージョンに7%の減少 が見られることが分かっています。また同様にWebサイトの設計が悪いために消費者が探している情報を簡単に見つけられないようなサイトに対してもユーザーの印象は悪くなります。
デジタル マーケティング業界がさらに成長し、企業各社のコンテンツ量がさらに増すにつれ、競争率も同様に高まります。デジタル エコシステムは2005年時点では130エキサバイトでしたが、 2020年までには40,000エキサバイトにまで成長する だろうと予想されています。このようにデジタル マーケティング業界が成長し、競争率も高まる中で、高ランクを維持して業界内での確固たる位置づけを確保するためには、企業はGoogleやユーザーの期待通りに「ユーザーを第一に捉える」という考え方を実践しなければなりません。
4) モバイル
AMPはニュース系サイト以外にも導入されるようになるでしょう。
Googleは引き続き各社企業のページにAMP対策を導入することを求めるでしょう。モバイル端末を使っている顧客のエクスペリエンスを高める上で重要な要素としてGoogleでは、ユーザーが求めている情報に素早くアクセスできるという能力を重視しています。現在のところAMP対策が行われているのは主にニュース記事に限られていますが、AMPをニュース以外のサイトやページにも拡大して導入することについて多くの議論がなされています。Ebayは自社の800万ものページをAMP対策したことを発表した先駆者的存在です。Eコマース業界やニュース以外を扱うその他のサイトではAMP対策はあまり進んでいないようですが、2017年にAMP導入が拡大する可能性は非常に高いです。
企業は自社のコンテンツの種類に合わせてAMPのトレンドに細心の注意を払う必要があります。例えAMP対策を行わない場合においても、サイトのローディングにかかるスピード短縮は常に心がけましょう。
モバイル エクスペリエンスの発展
各種モバイル端末で音声認識の人気が高まるにつれて、会話式のクエリも普及し始めています。Googleによると、モバイルにおけるトラフィックのうち約20% は音声検索によるものであることがわかっています。ここからわかることは、ユーザーがクエリをどのようにフレーズ化しているのかを把握できるよう取り組む必要性が出るということです。音声検索の使用頻度がさらに高まるにつれて、ユーザーがクエリをフレーズ化する方法に合致するようなカジュアルな言葉遣いを導入することが重要な意味を果たすでしょう。
また、2017年のモバイル検索に関する予想を行う上で、Googleが開発に着手したモバイル ファースト インデックスについて把握しておくことは絶対に必要です。11月にGoogleは新たなインデックスを試験的にリリースしました。リリース時にGoogleはこの新インデックス導入に関してユーザーが知りたがっている疑問について答えとなる情報を発表しました。
- 現在のインデックスに加えて、2つ目のインデックスを導入することはなく、モバイル ファースト インデックスがデスクトップ、モバイル検索の両方をカバーするようになる。
- Googleでは、モバイル ファーストを普及させるにあたって課題となる事柄の修正に取り組んでいる。多くの場合、リンクはモバイル版サイトではなくデスクトップ版サイトに張ることが多いため、ランキング状況を改善するために外部リンクを張っているケースなどを今後どのように扱うようになるのか、Googleでは現在も取り組みを続けています。
このような問題は今後さらなる解決策が必要になりますが、大きな変更点を加えた試験リリースや、さらには最終バージョンのインデックスが2017年前半に導入される可能性もあります。
新インデックス導入に備えるために、企業は自社のモバイル版サイトが、新しいモバイル検索を意識してデザインされているか再度確認することが必要です。これについての詳細は、モバイル ファースト インデックスのリリースや GoogleのGoogle Webmasterのレコメンデーションなどについて紹介した弊社の関連ブログ記事をご参照ください。.
モバイル コマースへの移行
2014年から2016年までに、モバイル端末を使って購買行動を行った総額は$190億から約$310億にまで成長しました。デジタル コマース全体のうち、モバイル コマースの規模は2017年までに50%を占めるようになるだろうと予想されています。以下に挙げた項目を戦略に組み込むことによって、モバイル コマースにおけるオポチュニティーをつかみましょう。
- おサイフケータイなどを活用してチェックアウト(購入)のプロセスをモバイルフレンドリーにする。
- 製品ページをAMP対応にするか、それができない場合はローディングにかかる時間を最小限に抑える。
- モバイルを使っているユーザーがなるべくシンプルにナビゲーションできるようなページのデザインを心がける。
昨年10月に開催したシェア16では、 Thao Tran氏も基調講演者の1人としてご参加くださいました。Tran氏の基調演説では、プログレッシブ ウェブ アプリ(PWA)の重要性が高まる可能性についてご説明いただきました。Googleはユーザーが購買行動をとる際のユーザー エクスペリエンス(体験)について、オンラインとオフラインの差を感じさせないシームレスなものにすることを目指しています。つまり、何らかの理由でインターネットの接続が悪いユーザーや、一時的にインターネットに接続できないユーザーも企業とつながりをもてるような状態を目指しているわけです。海外の企業、とりわけアフリカやアジアの企業ではプログレッシブ ウェブ アプリ(PWA)に対する評判が高まっています。このテクノロジーは2017年にさらに成長し、アメリカでも今年デジタル モバイル ショッピングにおけるユーザー エクスペリエンスに重要な役割を果たす最新技術として注目されるでしょう。その後2018年にはPWAの重要性はさらに高まり、中心的な存在としてさらなる躍進を果たすことが予想されます。業界をけん引するリーダーになることを目指している企業は、この現在急成長中のテクノロジーをいかに活用することができるのか真剣に考えなければなりません。2017年の検索業界に関する予測として、各業界でリーダー的存在を誇るトップ企業はこのテクノロジーの導入にむけて移行することが考えられます。
コマース業界でモバイルの役割が高まるにつれて、企業はデバイスごとの顧客層について把握する必要があります。今日の顧客においては、「急ぎの用がある際はモバイル端末で調べ物をし、その夜帰宅した後に調べ物の残りをデスクトップで終わらせる」というような行動は珍しいものではありません。優れた企業は一人の顧客に対して複数のデバイスを結びつけることによって、個人に合わせたマーケティングを展開することが可能になります。この点を考慮すると、Oracleなどの主要企業において、一人の顧客に対して複数のデバイスを結びつける能力を高めるために買収や投資を行っている背景が理解できるでしょう。このように一人のユーザーが用いるデバイスの種類を把握する必要性は2017年に高まるでしょう。
(5) ペイド サーチを上手く組み合わせる
BrightEdgeの独自調査によると、サイトへの トラフィックの51% がオーガニック検索に由来するものであることが明らかになっています。しかし、最近検索結果ページのトレンドを見てみると、2017年に企業が成功を収める上でペイド サーチがより重要な役割を果たすのではないかと考えられます。
昨年2月にGoogleは検索結果ページのレイアウトに変更点を加え、検索結果ページ上部に表示される広告の数が増え、クエリの内容によってはオーガニック検索の結果が表示される前に最大で4つのペイド サーチの結果が表示されることもあるようです。
「ちいさな寝室の飾りつけをする方法(how to decorate a small bedroom)」などのようなクエリの多くに画像を使った有料広告がページ上部に表示されています。
Googleは、ペイド サーチの結果をローカル検索の結果ページに表示されるローカル3パックに組み込み ました。このような変更点が加えられた後もなお企業が顧客にとって意味のある存在でいるためには、オーガニック検索のSEO対策にペイド サーチもうまく組み込む必要があるでしょう。
企業はペイド サーチを活用することよって、高ランクを獲得できそうにないキーワードのギャップを埋めて高ランクを獲得することが可能になります。 ある調査 によると、1つのクエリに対して検索結果ページでペイド、オーガニック両方の結果が表示される場合、ペイド サーチの結果の存在によってオーガニック検索の結果に対するクリック数も増えることが分かっています。またペイド サーチに焦点を当てたマーケティング キャンペーンでは、SEO戦略に有益な情報をもたらします。新年を迎えるにあたって、ペイドとオーガニックを上手く組み合わせることができれば、企業の検索パフォーマンスも高まるでしょう。
(6) 動画や画像のさらなる普及
過去数年にわたって動画や画像の使用が拡大しています。2017年が始まるにあたって、動画や画像の普及はさらに拡大するでしょう。ある調査によると、同じページに動画と文章の両方があるとすれば、 上級管理者の59% が、動画を見ることを選ぶと答えています。また人間の脳は通常の文章を使ったコンテンツを処理するスピードに比べて、画像は 60,000倍速く処理することができる ことが分かっており、この点を考慮してもより多くのユーザーを引き付けるために画像の有効活用が重要であることが分かります。例えば画像を効果的に使ったコンテンツは、画像なしのコンテンツに比べて閲覧される確率が94%も高いのです。
2017年のデジタル コンテンツ業界では、読み手を獲得しようとする競争がさらに高まるでしょう。企業にとっては、ユーザーをサイトに一秒でも長く留め、ユーザーのエンゲージメントを高める後押しをする機会を決して見落とさないよう心掛けることが大切になります。見やすく分かりやすい画像の活用は2017年にさらに重要視されるでしょう。
さらに、動画や画像はマイクロモーメントという概念にも組み込まれることになるでしょう。検索エンジンのページにアクセスする際、顧客はそれぞれ異なる目的を持っています。顧客が経験するマイクロモーメントの種類によって、顧客は画像(例:製品や地元の企業に関する画像など)を求めている可能性もあります。例えば、「Amazon Dotの見た目は?」のような「知りたい(I-want-to-know)」モーメントや「買いたい(I-want-to-buy)」モーメントに関連するクエリにおいては、ページ上部に画像を使った結果が表示されます。
顧客が何を求めているのか?顧客がどのような背景で検索を行っているのか?このような事柄を把握することによって、画像や動画を有効に使用して顧客のエンゲージメントを高めることができます。各マイクロモーメントを体験しているユーザーを引き付けるために、画像や動画などのコンテンツを最適化すると、結果的により多くのユーザーを販売ファネルに取り込むことに繋がります。
2017年がデジタル マーケティングやSEO業界にとってエキサイティングな一年になることを示すサインはあちこちに存在しています。テクノロジーは日々稲妻のようなペースで進化を続け、企業が見込み顧客を取り込んだり、ターゲットとする読み手の意図や行動などを理解したりする上で後押しすることが可能になります。新年にこの業界でどのような変革が見られるのか引き続き注目すると共に、2017年の検索業界に関する予測やテクノロジーの発展がどのような行く先を迎えるのかにも注目していきたいと思います。